データセンターとは?クラウドとの違いや、お勧めサービスを紹介

データセンターはサーバーやネットワーク機器を安全に管理、運用するための専用の建物です。セキュリティは強固であり、自然災害にも備えられるためBCP対策としても活用され、近年データセンターの利用は広がっています。
この記事ではデータセンターについて、利用するメリット、クラウドや自社サーバーとの違い、データセンターの選び方などをわかりやすく解説します。

データセンターとは?

データセンターとは、サーバーやネットワーク機器を安全に管理、運用するための専用施設です。内部にはサーバー等を収納するラックが並び、インターネットなど外部と接続できる高速回線、大容量電源、冷却装置など、サーバー設置に必要な設備が整えられています。
建物への出入りは生体認証やIDカードなど強固なセキュリティで保護され、不審者の侵入を防止します。また、建物は免震・耐震構造となっており、地震による機器の損傷やサーバーやシステムの停止を防ぐことができます。

自社の中にサーバーを設置して運用する「オンプレミス」の場合は、管理する人材や運用コストがかかったり、セキュリティがぜい弱、電源や空調設備の問題などもあり、データセンターにサーバーを移設するケースが増えています。
総務省の「情報通信白書令和4年版」によると、2021年の日本国内のデータセンターサービスの市場規模(売上高)は前年比11.6%増の1兆7,341億円。今後も増加が見込まれ、2025年には2兆7,000億円を超えると予測されています。
こうした数字からも、現在データセンター業界は注目されており、成長を続けていることがわかります。

(参考):総務省「情報通信白書令和4年版」~日本のデータセンターサービス市場規模(売上高)の推移及び予測~より

データセンターのメリット

データセンターを利用する主なメリットには次のものがあります。

<メリット1>情報漏洩(セキュリティ)対策

データセンターの建物のセキュリティは強固で、生体認証等での入退出管理や多数の監視カメラの設置、24時間365日有人での運用体制、通信機器の持ち込みがNGだったりと厳重な対策がとられています。
また、サイバー攻撃からデータを守る情報セキュリティ面でも強固になっています。

<メリット2>24時間365日体制での運用

基幹システムなどのサーバーやネットワーク機器は常に監視、運用する必要があり、アラート検知時の稼働状態のチェックや電源OFF/ONなどの対応を代行(マネージドサービス)してもらえるため、夜間・休日に故障が発生したとしても安全性が増します。

<メリット3>災害発生時のリスク軽減

データセンターは地震や火災に対して耐震性や防火性に強い構造になっています。非常用の電源の設備はもちろんのこと、そもそもデータセンターのある地域が災害の少ない地域が選ばれるため、よりリスクを軽減しています。
火災の際は水を使用するスプリンクラーではサーバーに大きなダメージを与えてしまうため、消火性の高いガスを使用して消火します。

<メリット4>運用・管理コストの削減

社内にサーバーを設置するためには、専用のサーバールームを用意する必要があり、サーバー内部の温度上昇を防止するためには空調設備が欠かせません。他にも、停電時に備えUPS(無停電電源装置)や非常用発電機などそろえるべき設備が多くあります。
そのため、自社内でサーバーを管理・運用するよりもデータセンターを利用することで、コストを抑えることができます。

<メリット5>大容量電源の確保、冗長性ある電力設備

サーバーの処理能力の向上や小型化により、必要な電力は年々増加しています。データセンターなら大容量電源が確保されているため余裕を持った構成が可能ですが、自社内で同様の設備を用意するとなると膨大なコストがかかってしまいます。

データセンターの利用目的や活用方法

データセンターの活用形態には大きく分けてハウジング、コロケーションとホスティングがあります。
「ハウジング」はサーバーを設置するラックのスペースと回線を提供するスタイルのことを言います。データセンターによってはラックの耐荷重量や供給できる電力に差があります。
なお、ハウジングはあくまでスペースと回線を貸し出す形態であるため、運用は自社で行う必要があります。

「コロケーション」はデータセンター内にお客さまが所有するサーバーやネットワーク機器等を設置するスペースを借りることを言います。

「ホスティング」はスペースやラックだけでなく、サーバーやネットワークそのものもレンタルすることを言います。運用や管理はホスティングを提供している事業者で行われるため「レンタルサーバー」と呼ばれることもあり、気軽にすぐに使えることが特徴です。
なお、専用ホスティングと共有ホスティングがあり、専用ホスティングは安全性が高く、サーバーのリソースも自由に使えますが、料金は高くなります。

データセンター・クラウド・オンプレミスの比較一覧表

次にデータセンター、クラウド、オンプレミス(自社サーバー)の違いやメリットを解説します。

データセンター クラウド オンプレミス
導入・運用コスト プランによる プランによる 高い
セキュリティ 高い 設計による 運用体制による
カスタマイズ 自社の要件に合わせて設計できる 事業者の提供仕様通りのため難しい 自社の要件に合わせて設計できる
災害対策性 高い プランによる 低い場合が多い

データセンターとクラウドの違い

データセンターとクラウドの主な違いは、サーバーやネットワーク機器の所有者、運用・管理者が誰かという点です。
データセンターでは機器の所有、運用・管理は基本的に利用者が自社で行います。一方、クラウドは提供事業者がこれらを行います。
クラウドサービスとしては、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureなどが有名ですが、不特定多数が利用するクラウドでは、個人情報など機密性の高いデータの管理においてリスクが潜んでいる可能性があります。
また、クラウドの場合はサービス事業者の提供仕様内で構築する必要がありますが、データセンターの場合は自社で設計・構築できるため、カスタマイズ性があります。
さらに、データセンターでの運用の場合、クラウドのように強制的なメンテナンスが発生することもありませんので、24時間365日のシステムの安定運用におすすめです。

データセンターとオンプレミスの違い

自社でサーバーを管理する場合、運用する人材や空調設備などの投資コストがかかります。オフィスの移転があれば、サーバーの移設も検討する必要があります。

また、オフィスの場合は年に一度法定点検のために全館で電気設備を停止させる必要があり、少なくとも年に一度はシステムが停止してしまいます。データセンターにも法定点検はありますが、自家発電設備やUPSがあるため、システムの停止は伴いません。
なお、オフィスでの管理の場合もUPSがあれば、法定点検も稼働したままにできるのではないかと考える人もいるかもしれませんが、UPSは停電時に安全にシャットダウンすることを目的とした装置で、必要電力によって数分から30分前後しか稼働できず、法定点検をクリアするための時間としては足りません。

また、サーバーは温度が高くなってしまうと十分な性能を出せず、最悪の場合は停止してしまいます。データセンターには適切な温度に保つように空調設備が整えられています。

データセンターの選び方・比較ポイント

データセンターを選ぶ際のポイントを次に解説します。

提供サービスの充実度

まずは基本サービスである、ラックや電力設備、災害対策、セキュリティが十分であることを確認します。その上で、必要な提供オプションサービスなどがあるかも確認します。

例えば、スペースが広い場合にはその分料金も高くなってしまうため、適切な広さのスペース(1/2ラックや1/4ラックなど)が選べると良いでしょう。また、キッティングなどの作業スペースの有無や、監視やリモートハンド作業などの運用支援があるかも確認しましょう。

費用

データセンターを契約する際には様々な費用が発生します。初期費用やラックの使用料金、サーバー等の機器で使用する電気料金、回線料金と提供サービスにかかるオプション料金などがあります。

立地と見学の可否

ホスティングではなく、ハウジングサービスを利用する場合には立地を意識する必要があります。管理、運用は自社で行うため、故障対応や機器の更改、保守作業で訪れる必要があるため、自社から近い方が便利でしょう。また、災害対策を主な目的とする場合は災害の少ない地域であるかの確認が必要です。

そのため、実際にデータセンターに足を運んで見学できた方が安心です。建物のセキュリティや、移設する際の搬入経路、交通の便などを確認することができます。

データセンターサービスならNTTPCの「WebARENA® Symphony」がオススメ!

データセンターにも形態に違いがあり、提供サービスなども異なるため、自社に必要な条件が揃っているかを見極める必要があります。
NTTPCではデータセンターサービスとして「WebARENA® Symphony」を提供しており、次のような特長があります。

<特長1>高電力供給

サーバー機器類はたくさんの電力を消費します。そのため、高電力供給の設備が必要となります。WebARENA® Symphonyでは、1ラック8kVAまで供給可能ですので、AIやディープラーニング等に必要不可欠なGPUサーバーなどの高スペック機器の搭載も可能です。また、200V電源を使用することで100V電源よりも消費電力を抑えられます。

<特長2>電気設備の冗長化

電力会社からの2系統受電により、冗長性のある電力供給ルートを確保しています。また、ビル内の電気設備も、万一の災害等による停電発生時にも非常用発電機やUPS(無停電電源装置)を備え付けているため、停止無く連続48時間の電力供給が可能です。

<特長3>快適、安心のネットワーク

ネットワークサービスも提供しているNTTPCの大容量バックボーンとお客さまシステムを直結できます。NTTPCのIPバックボーンは、主要なIXやISPと高速接続し、ネットワーク回線の冗長化や障害時の迂回ルートを確保し、安心で快適なアクセス環境を実現します。
また、お客さまオフィスからのVPNによる閉域接続も可能です。

セキュリティに関しては、インフラハードウェアレベルでのセキュリティ対策を基本提供しており、オプションとしてDDoS対策、IDS/IPS、WAFなどサイバー攻撃への対策サービスも提供しています。

<特長4>ビルセキュリティ

WebARENA® Symphonyでは入退館のセキュリティが厳重です。フラッパーゲートの通過、有人受付による身分の確認、ICカードの認証、生体認証、共連れ防止のためのサークルゲートを通過してようやくサーバールームに入ることができます。
さらに、専門知識が豊富なスタッフが常駐していることもデータセンター内のセキュリティ性を向上させています。

<特長5>立地

データセンターを利用する場合、機器の入れ替えや故障対応時に短時間でアクセスできることが重要になってきますので、都心部やその近郊などの交通の便が良いところを選ぶのがポイントです。WebARENA® Symphonyは東京・大阪の中心エリアに位置しており、好立地な都市型データセンターです。

<特長6>災害対策

WebARENA® Symphonyはテロや災害、システム障害など危機的状況になった場合でも事業を継続するためのBCP対策に適しています。災害に強く震度7クラスの地震にも耐えうる免震性能を備えており、加えて地下30m付近の強固な「上総層群」に鋼管杭を打設し、液状化対策も実施しています。また、高度な火災報知器や水を使わない消火器の設置をすることで、火災からも精密機器を守ります。

利用目的によってサーバーの管理や運用を行うことが重要

最後に、データセンターは自社のシステム規模が大きく、稼働停止ができないシステム/サービスを運用するために特に重要となる施設です。
災害対策や自社で運用管理するコストなどを総合的に見て、データセンターの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

WebARENA® Symphonyでは運用・保守のサービスも利用シーンに合わせて提供していますので、人材を割く余裕がないような場合でもお気軽にご相談ください。

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