WebARENAのVPSクラウドでは、初期状態ではドメイン名が設定されていません。
ドメイン名を使用してサーバーにアクセスするにはお客さまにて独自ドメイン名を取得して頂き、
そのドメインのゾーン情報を管理するネームサーバーを構築して頂く必要がございます。
ネームサーバーはお客さまの任意のサーバーをご利用になれますので、 必ずWebARENAのVPSクラウド上で構築しなければならないという事はございません。 他にご利用になれるネームサーバーをお持ちのお客さまはそちらをご利用頂くことも出来ますが、 WebARENAのVPSクラウド上にネームサーバーを構築してご利用頂くことが出来ますのでここではその方法をご案内致します。
VPSクラウド上にネームサーバーを構築する場合は、ドメインを取得したレジストラ(ドメイン名取得業者)を通じて お客さまの独自ドメインのネームサーバーを登録しておく必要がございます。
WebARENAのVPSクラウドをご利用になるお客さまは、インスタンスのIPアドレスを登録して下さい。
登録の具体的な方法はレジストラによって異なりますので、ドメインを取得したレジストラにお問い合わせ下さい。
ここでは既に以下の準備が整っているものとして、 WebARENAのVPSクラウド上にプライマリネームサーバーを構築する方法を説明しています。
以降の説明は、例として以下のようなご利用形態を前提として記述しています。
実際に設定頂く際には、ドメイン名、IPアドレスはお客さまのものに置き換えて設定を行って下さい。
ネームサーバーに設定する内容はお客さまのご利用形態によって変わりますが、 オンラインマニュアルに記載されていない設定については弊社のサポート対象外となります。
この例と異なるご利用形態でお使いになる場合はbindの設定方法について解説されている 書籍・Webサイト等をご参考にゾーンファイルの内容を書き換えてご利用下さい。
ネームサーバーを構築するには、セキュリティポートの設定が必要です。
接続元となるcidrアドレスは、お客さまの環境に合わせて書き換えてください。 セキュリティーグループの編集方法は、オンラインマニュアル内セキュリティーグループに記載しておりますのでご参照ください。
WebARENAのVPSクラウドには初期状態で「bind」というネームサーバープログラムがインストールされています。 ネームサーバーを構築する場合は下記の手順でbindの設定を行って下さい。
[root@localhost ~]#vi /etc/named.conf
他のキャッシュDNSサーバーからの名前解決(query)を許可するために、以下の設定を行います。
options { listen-on port 53 { 127.0.0.1; }; listen-on port 53 { 192.0.2.5; };(←この行を追加) listen-on-v6 port 53 { ::1; }; directory "/var/named"; dump-file "/var/named/data/cache_dump.db"; statistics-file "/var/named/data/named_stats.txt"; memstatistics-file "/var/named/data/named_mem_stats.txt"; #allow-query {localhost; };(←行頭に # を追加) recursion no; allow-query { any; }; (←allow-query 行を any で追加) dnssec-enable yes; dnssec-validation yes;
zone "example.com" {
type master;
file "example.com.db";
allow-update { none; };
allow-transfer { 192.0.2.6/32; };
};
[root@localhost ~]# vi /var/named/example.com.db
入力画面が表示されたら、ファイルの内容を以下のように記述してファイルを上書き保存して下さい。
$TTL 86400
@ IN SOA ns.example.com. root (
2013030501 ; serial
3H ; refresh
15M ; retry
1W ; expiryk
1D ) ; minimum
NS ns.example.com.
NS ns2.example.com.
MX 10 @
A 192.0.2.5
ns A 192.0.2.5
ns2 A 192.0.2.6
www A 192.0.2.7
[root@localhost ~]#rndc-confgen -a -r /dev/urandom [root@localhost ~]#service named start
bindを起動するとネームサーバーとして動作するようになりますが、 そのままの状態ではOSを再起動するたびに手動でbindを起動しなければなりません。
OSの再起動と同時に bind を自動起動したい場合は、chkconfig で named をon に設定して下さい。 chkconfig の設定方法は、オンラインマニュアル内 サービスの自動起動設定 に掲載しておりますのでご参照下さい。
Webサーバーやメールサーバーのバーチャルドメイン機能を使用して複数のドメイン名をご利用になる時は、 2つ目以降のドメイン名を使用するための設定を行う必要があります。 設定方法は複数の独自ドメイン名を使用する場合と、1つの独自ドメインでサブドメインを作成する場合で若干異なります。
すでに「example.com」という独自ドメイン名を使用している状態で「example.jp」という別の独自ドメイン名を使用する場合など、 複数の独自ドメイン名を使用する場合の設定手順はこのページの「bindの設定手順」に記載されている手順とほぼ同じです。 4. と 5. の手順に従って追加する独自ドメイン名を設定した後、以下のコマンドを実行し、新しい内容を有効にして下さい。
[root@localhost ~]#service named reload
すでに「example.com」という独自ドメイン名を使用している状態で「homepage.example.com」というサブドメインを使用する場合など、 1つの独自ドメインでサブドメインを作成してバーチャルドメインを使用する場合の手順です。
サブドメインを作成する場合、/etc/named.confファイルをさらに編集する必要はありません。 /var/named ディレクトリに作成されている独自ドメイン名のゾーンファイル(例では /var/named/example.com.db)にサブドメインの設定を追加します。
ここでは例として以下のようなご利用形態の場合の設定方法をご案内します。
[root@localhost ~]#vi /var/named/example.com.db
入力画面が表示されたら、ファイルの内容を編集します。
まず、「serial」の左に書かれている数字を今までより大きい数字に書き換えて下さい。
この数字はシリアル番号と呼ばれるもので、数字を増やすことにより セカンダリネームサーバーに設定ファイル(ゾーンファイル)の内容が更新されたことを知らせる仕組みになっています。
数字は4294967295以下の数であればどのような内容でも差し支えありませんが、 一般的に変更した日の日付に2桁の通し番号を付加した数字を記述することが慣例となっています。 ここでは「2013030501」の数字を1増やして「2013030502」に変更します。
さらに、ファイルの末尾に緑色で書かれた行を追加して下さい。
$TTL 86400 @ IN SOA ns.example.com. root ( 2013030502 ; serial 3H ; refresh 15M ; retry 1W ; expiry 1D ) ; minimum NS ns.example.com. NS ns2.example.com. MX 10 @ A 192.0.2.5 ns A 192.0.2.5 ns2 A 192.0.2.6 www A 192.0.2.7 homepage A 192.0.2.7 mail A 192.0.2.5 MX 10 example.com. (←***@mail.example.comの設定)
[root@localhost ~]#service named reload
その後、homepage.example.com の正引きが行えることをご確認下さい。