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お役立ちコラムインボイス制度やIT導入補助金について
よくわかる記事を紹介

(4)インボイスに関する補助金制度

インボイス導入の際の補助金活用について

インボイス制度に関する補助金については、以下の経済産業省のPR資料の内容を以下に記載します。補助金の詳細については、それぞれの公募要領を確認ください。後日の記事で、公募要領の詳細を紹介する予定です。

令和3年度補正予算の事業概要(PR資料)令和3年12月

中小企業が活用しやすい補助事業としては、中小企業生産性革命推進事業が挙げられます。令和3年度補正予算額は2,001億円です。

この事業の目的としては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者を支援し、将来の成長を下支えするものです。そのため、中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入、販路開拓を支援してくれます。

それぞれに、インボイスに関する特別枠が創設され、通常枠より補助率や補助金額が優遇されています。ここでは、持続化補助金と、IT導入補助金について確認していきます。

小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)

通称、「持続化補助金」は、販路開拓や生産性の向上について補助される制度でした。そして今回からは、インボイス発行事業者への転換のためのインボイス枠が用意されています。補助上限が、通常枠の2倍の100万円となっています。

(出典)上記PR資料

ただし、このインボイス枠は、インボイスのシステム対応などの費用ではありません。補助の対象となるのは、免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業者です。なお、小規模事業者とはサービス業であれば、5人以下になります。

出典:小規模事業者持続化補助金 ガイドブック

サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)

 そして、インボイスのシステム化対応の本命の補助制度は、「IT導入補助金」となります。昨年までとの大きな変更点は、会計やレジのクラウドサービス化が進んでいますので、今回からクラウド利用料も2年分まとめて補助されることです。昨年までは1年分しか補助されませんでした。

また、今回は一部ハードも対象になります。パソコンやタブレットが対象になりますが、注意点としては、自由にパソコンが買えるわけではありません。POSレジソフトを買う際にセットとなっているタブレットが買えるという仕組みです。

(出典)上記PR資料

IT導入補助金には、いくつか類型がありますが、インボイスの対応としては、「デジタル化基盤導入類型」となります。通常のIT導入補助金では、様々な業務システムが対象になりますが、デジタル化基盤導入枠では、「会計・受発注・決済・EC」が対象です。それぞれ請求業務などが含まれてインボイスが登場する業務範囲と言えます。

デジタル化基盤導入類型の補助額や補助率については以下の表のとおりです。

(出典:IT導入補助金2022年ホームページより)

インボイスのシステム対応に向けて

第3回の記事で、インボイスのシステム対応 について説明しました。今、事業者の皆さまに実施してほしいのは、自社の使っているレジや券売機、キャッシュレスシステム、会計システム等のインボイス対応がいつどのようになるのか、メーカに確認することです。

最近では、タブレット型のクラウドレジを使っているお店も増えています。その場合は、クラウド側でレジのソフトウェアがバージョンアップされると、それだけでインボイス対応が完了することもあります。事業者側では、インボイスの登録番号を設定し、変更されたレシートなどの書式を確認するだけで済むケースもあるでしょう。

一方で、ネットに繋がっていないレジの場合は、新しいソフトウェアへのバージョンアップをしたり、レジ自体を買い替える場合もあるでしょう。

現状を確認した上で、新しいシステム投資が必要になる場合は、今回紹介した補助金が対象になる可能性があります。補助金の公募要領の内容を確認して、早めにインボイスへの対応を図っていただきたいと思います。

この記事の筆者

㈱にぎわい研究所 代表取締役 村上知也

IT企業に13年の勤務の後、2008年に中小企業診断士登録。中小企業のデジタル化やWebマーケティングの支援を中心に活動中。
商工会議所などの多数の公的機関においてデジタル・IT関連のセミナーを実施している。