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お役立ちコラムインボイス制度やIT導入補助金について
よくわかる記事を紹介
(7)IT導入補助金の活用する流れについて
デジタル化基盤導入類型のスケジュール
デジタル化基盤類型枠のスケジュールは、本稿執筆時点(6月上旬)で、8次締め切りまで発表されています。8次の交付申請の締切は8/8です。9次以降の募集もされると筆者は予想していますが、予算の消化状況次第ですので、早めの申請準備を進めた方がいいでしょう。
なお、1次締切分はすでに採択され、87%の採択率でした。
具体的なIT導入補助金の申請の流れ
それでは、実際の申請の流れを確認します。
商談
上記の図表のように、申請作業の前に商談から入ります。IT導入補助金は、IT導入支援事業者(ITベンダ)と事業者が共同で申請します。そのため申請する前にIT導入支援事業者とITツールを選定し、いくらで導入するのかといった商談をまとめておきます。
申請準備
申請準備としては、IT導入支援事業者から、IT導入補助金をオンラインで申請する画面に招待します。これが申請マイページへの招待となります。申請を始める前に事前に履歴事項全部証明書、直近の法人税納税証明書といった書類を準備しておきます。
また、IPA((独) 情報処理推進機構)のSECURITY ACTIONも取得しておきましょう。これは中小企業自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。安全・安心なIT社会を実現するために創設されました。
交付申請
オンラインシステムから交付申請を行います。申請内容は、現在の経営状態やIT活用の状況等などのアンケート項目の他、先程の事前準備書類をアップロードしていきます。申請の際の注意事項は第4回の記事で説明します。
事業実施と実績報告
申請内容が審査され無事採択されれば、事業実施期間に入ります。事業実施とは実際にITツールを導入することです。ITツールの初期設定や、社内研修などを経て、導入が完了すれば、実績報告を行います。ITツールの請求書や振込の証憑とともに、実際にITツールを導入した証拠を提出します。具体的にはITツールの管理画面などです。
補助金交付と効果報告
実績報告が確定検査によって認められると補助金額が確定して補助金が振り込まれます。その後、効果報告を行います。昨年までのIT導入補助金や、今年のAB類型では、生産性向上のための計画を3年立案して、その結果を3年後まで報告する必要があります。しかし今回のデジタル化基盤導入類型では、そもそも計画を立案しませんので、効果報告は、「インボイス制度への対応状況」、「継続的にソフトを使っている証拠書類」、「賃上げの実施状況」を1度報告するだけになっています。
上記の流れを4次締切の具体的な日程で確認します。
6/13が交付申請の締切です。申請システムで申請内容を入力するのには、ポチポチとクリックしていく程度ですから、1日もあればできる内容です。ただし、事前に書類準備や商談が必要ですので、少なくとも、締切の1ヵ月以上前には準備を始めておきましょう。
そして交付申請が終わると1ヵ月ほどして採択が発表されます。無事に7/14に交付決定されると、そこから事業実施期間となります。2023/1/31までと、6ヵ月半ありますのでITツールを導入し、初期設定を終えて、社内研修も終えて、事業実績報告を行います。確定審査を経て補助金が振り込まれた後、2023/10までに効果報告を行います。
このように、補助金は、申請から入金まで時間もかかりますし、入金後も報告が求められます。予め公募要領や申請の手引をじっくり読み込み、作業の漏れや遅れをできる限りになくしていきましょう。
この記事の筆者
- ㈱にぎわい研究所 代表取締役 村上知也
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IT企業に13年の勤務の後、2008年に中小企業診断士登録。中小企業のデジタル化やWebマーケティングの支援を中心に活動中。
商工会議所などの多数の公的機関においてデジタル・IT関連のセミナーを実施している。