UPS(無停電電源装置)とは?予期せぬ電源トラブルから機器を守る装置
UPS(Uninterruptible Power Supply)は日本語で無停電電源装置と言います。電力不足や災害などにより停電を余儀なくされる事態はいつでも起こりえます。稼働を止めることができないサービス/システムを提供している場合、停電は重大な問題になります。
瞬間的な停電や一時的な停電の場合には、UPS(無停電電源装置)を利用することで、機器の故障を防いだり、データの損失・破損を防いだりすることができます。
この記事ではそんなUPSの仕組みや対処できるトラブルなどについて解説します。
重要性が高まるUPSとは?
UPSとは停電や過電圧、電源障害が発生した際に一定の時間電力を供給し続け、システムを継続したり、機器が安全にシャットダウンする時間を確保するための装置です。これにより、機器の故障やデータの損失・破損を防ぎます。
UPSの仕組み
UPSは建物の電源(商用電源)とサーバーやネットワーク機器などの間に設置します。商用電源にトラブルが発生した場合、UPSは内蔵もしくは外付けのバッテリ(蓄電池)を用いて、機器に電力を供給し続けます。バッテリ容量や機器の消費電力によって電力を供給できる時間は変わってきます。また、給電方式の違いや汎用小型UPSの場合、切り替え時に瞬断が発生するタイプのものもあります。
UPSで防ぐことができるトラブル
UPSで防ぐことができる代表的なトラブルを3つ紹介します。
給電停止
停電が発生すれば、電力は供給されなくなります。地域一帯が一斉に陥る場合も、建物のみの停電の場合でも、UPSがあれば一定の時間電力を供給することができます。
給電電圧の変動
落雷が発生すると、一時的に高電圧が流れてしまいます。高電圧は電子機器にとって故障の要因になります。落雷の他にも、電気設備の故障や不具合、工事や点検の際にも通常より高電圧になるケースがあります。
UPSは仕様で決められた範囲よりも高い電圧、低い電圧を超えた場合には商用電源からの電力供給を遮断して、バッテリでの駆動に変更して、電子機器を保護します。
接続機器などの外因
発電機、無線機、産業用機器などの使用により、電源周波の乱れ・ノイズが発生することがあり、これらは正常な機器の動作を妨げます。UPSは電源の波形に問題がないかをチェックして、異常な形の電力が流れた場合には機器を保護するために商用電源からの電力供給を遮断します。
UPSが必要とされる理由
近年は電力不足により、計画停電が実施されたり、天災による停電があったりと不測の事態が少なからず発生しています。また、建物の点検や工事による停電や、うっかりコンセントを抜いてしまうなどの人為的なミスも起こりえます。
そんな時、UPSが無ければサーバー機器などが停止し、利用している業務システムやユーザーに提供しているサービスも停止してしまうため、大問題となります。
このような事態に陥らないために、UPSでの電源トラブルに対する対策はシステムを安定稼働させる上で重要になります。
UPSで防げるのは給電トラブル
UPSは電力の供給に関する部分のトラブルへの対策として有効です。停電、雷や異常な波形の電力への対処などに役立ちます。
一方で、サーバーを運用する企業としては地震や水害、火災など様々なことが起きようと、被害を抑え事業を継続する必要があります。このような災害などからサーバーやシステムを守るためには、耐震性を備え、火事などに対処できる設備をもったデータセンターの活用が有効となります。
データセンターの安心・安全対策
データセンターはサーバーやネットワーク機器を安全に管理、運用するための専用施設です。災害のリスクの低い地域に設置されているため、災害対策として十分なパフォーマンスを発揮します。
また、電気設備は冗長化されていて、非常用発電機やUPSも備え付けられているため、一帯が停電してもデータセンター内は電気が供給されるようになっています。また、入館してサーバールームに至るまでには何重にもセキュリティが施されているため、不審な人物の侵入を防ぎ、安心して機器を管理、運用できます。
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