株式会社彫刻プラスト

彫刻プラスト社内写真

株式会社彫刻プラスト(以下、彫刻プラスト)は、長年にわたり「これまでにない新しい機能を備えた機能包材」の開発・商品化に注力し、「オンリー・ワン・パッケージカンパニー」を目指している。同社では、自社で運用しているサーバーのホスティングサービスへの移行をかねてより検討してはいたが、豪雨被害を受けたことをきっかけに実施を決断。
信頼性、コストの両面で、NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)のWebARENAのVPS「SuitePRO V4」をリリースに合わせて導入。以前から利用中の NTTPCのIP-VPN「Master'sONE」と組み合わせて、セキュアで安定したサーバー運用を実現した。

課題
  • IP-VPNによるセキュアな環境から低コストで利用できるホスティングサービスを探していた
  • Windows Server® 2003のサポート終了にともない、Windows Server® 2008での運用を予定していた
解決
  • VPNから直接接続が可能なため、ファイルサーバーや認証サーバーのバックアップを安全かつ低コストで実現できた
  • 4種類のOSの選択が可能でWindows Server® 2008にも対応しているため、予定どおりの環境が構築できた

導入背景と課題

自社運用のサーバーが、豪雨で運用停止に

2012年夏に近畿地方を襲った局地的豪雨で、京都や滋賀、大阪に大きな被害をもたらした。彫刻プラストでも大阪工場に設置していたバックアップ用サーバーが濡れてしまい、丸一日バックアップを停止せざるを得ない状況に陥った。バックアップ用サーバーということで実務に被害はなかったものの、自社でサーバーを運用するリスクをまざまざと実感したのである。

「この時はドメイン認証/ファイルサーバーのバックアップサーバーの停止ですみましたが、本番サーバーが被害にあっていたらと思うとぞっとしました」と、管理部情報システム担当係長の辰川悟志氏は、当時の状況を振り返る。

セキュアな運用のために

そこで本格的に、オンプレミスで運用しているサーバーを、徐々にクラウドサービスやホスティングサービスに移行していくという方針を立て、まずは被害を受けたバックアップサーバーの移行を検討することになった。 ところが、各社のホスティングサービスを調べてみると、当時はVPNから直接接続できる低コストなサービスがなく、計画は早くも頓挫してしまった。

彫刻プラスト社内写真2

そんな中、2015年春になって、「VPNでサーバーに接続したい」という要望をかねてより出していたNTTPCから、SuitePRO V4という新しいVPSサービスを近いうちにリリースするという話が入ってきた。

「当社では、セキュアな通信のためにNTTPCのIP-VPNサービスであるMaster'sONEを長年利用しており、『Master'sONEから直接接続できるサービスがあればぜひ使いたい』と希望していたところ、SuitePRO V4のリリース前にβ版を試さないかという提案を受けたのです」(辰川氏)

採用の決め手

セキュアな接続を低コストで実現

彫刻プラストでは、SuitePRO V4のβ版を試用する前に、AWSの導入も検討していた。
社内ネットワークとパブリッククラウドをVPNで接続し、仮想プライベートクラウド(VPC)を構築すれば、安心してバックアップサーバーを運用できるからだ。これならセキュアな通信を実現したうえで、システム管理の負荷軽減も期待できる。

「情報システム担当係長という業務に加え、原材料の仕入れといった本来業務もあるため、システムの管理・運用に多くの時間を割けるわけではありません。そのためシステム運用については、可能なかぎりその道のプロに頼ったほうがいいと考えました。とくにネットワークのセキュリティは、トラブルが発生したときの影響も大きいので、安心して運用できる環境であることが大前提でした」(辰川氏)

優れたコストパフォーマンス

実際に、辰川氏はインターネットVPNを経由したAWSへの接続も試していた。

「当社は大阪だけでなく、静岡、東京、札幌にも拠点があり、そのPCの管理もすべて私の役割となっています。何かある度に出張することもできないので、全てのPCを本社からサポートできるように仮想デスクトップ化しました。サーバーはその前から仮想化していますので、当社のシステム基盤は100%バーチャルです。こうした環境のおかけで、どの拠点からも同じ条件で既存のオンプレミスのサーバーとAWSとのパフォーマンスの比較は容易であり、十分に満足できるスループットが出ることも分かりました」(辰川氏)

そうした経緯から、SuitePRO V4の試用開始と同時に、ディスクI/Oへの書き込み速度をAWSと比較してみることにした。その結果、パフォーマンスの差はほとんどなかったものの、運用コストに大きな違いが出ることが判明した。

「AWSでは、現行のIP-VPN契約にプラスして、AWSとの接続費用がオプションで発生します。しかもAWSは使った分だけ費用が発生する従量課金制を採用しています。使わないときにインスタンスを停止させれば課金は発生せず、コストを抑えることができますが、バックアップサーバーという用途を考えるとそれもできません。その点、SuitePRO V4は定額制を採用しており低コストで運用可能でした。パフォーマンス的にもコスト的にも満足し、SuitePRO V4の採用を決めました」(辰川氏)

彫刻プラスト図版

導入効果と今後の展開

データセンターのさらなる活用も検討

彫刻プラストでは、2015年7月からファイルサーバーと認証サーバーのバックアップにSuitePRO V4のVPSを利用。毎日夜間にバッチ処理を行っている。
今回の取り組みにより、SuitePRO V4でIP-VPNを利用したセキュアなサーバー運用とDR環境まで同時に実現したことから、今後は大阪営業所で運用しているサーバーについても、データセンターへの移行を検討していきたいという。

「NTTPCのサービスは、Master'sONEに関していえば10年以上にもわたり大きなトラブルはありません。SuitePRO V4も使い始めて1年近くになりますが、順調な運用が続いています。その点で、NTTPCには大きな信頼を寄せています。今後ともご協力をお願いできればと思っています」(辰川氏)

柔軟でスピーディな対応

もうひとつ、NTTPCのサービスを高く評価している理由として、柔軟な対応を辰川氏は挙げている。

「実は、社内で運用していたころのバックアップ用サーバーはWindows Server® 2003で運用していましたが既にサポートが終わっており、SuitePRO V4ではWindows Server® 2008に移行する予定でした。ところが、SuitePRO V4は新サービスということもあり、当初はWindows Server® 2012のみの対応でした*。それで『当社以外にもニーズはあるはずだから、2008でも使えないか』という要望を出したところ、ほどなく対応してもらうことができました。こうした顧客の声に耳を傾け、サービスの改善につながっていく柔軟でスピーディな対応は、他の企業にはないNTTPCの魅力になっていますね」(辰川氏)

*SuitePRO V4は、Windows Server® 2012 R2およびWindows Server® 2008 R2以外に、CentOS 7.1、CentOS 6.6の選択が可能です。

Windows Serverは、米国 Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。

Master'sONEは、NTTPCコミュニケーションズの登録商標です。

2016年2月取材

株式会社彫刻プラスト
  • 株式会社彫刻プラスト
  • URL:http://www.chokokuplast.co.jp/
  • 代表取締役社長:高橋 盛
  • 設立:1956年10月
  • 資本金:3,200万円
  • 本社:大阪府寝屋川市葛原2-1-3
  • 事業内容:フレキシブル包装材などのパッケージの企画製造・販売、紙およびプラスチックフィルムへの特殊コーティング
  • ▶導入サービス:
  • 共用サーバー
  • メールサーバー
  • VPS/クラウド
  • 専用サーバー
  • データセンター
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