- ▶導入サービス:
- VPS/クラウド
住友重機械グループの一員として、ITソリューションとサービスを提供されている株式会社ライトウェル。システムインテグレーションやソフトウェア開発で培った技術力と豊富なユーザ経験を背景に、実践的なソリューションを提供している。
今回は、自然言語処理の機械学習によるAIチャットボットを開発するため、クラウド型のGPUサーバーである「WebARENA IndigoGPU™」を導入。グループ内で開催される技術情報共有会にて好評を得た。
- 自社調達のGPUサーバーでは性能が不十分
- デモフェーズの開発頻度に適したコスト感のサービスが見つからない
- クラウド型サービスとして十分なスペックのサーバーを利用
- 柔軟な契約形態でコストを抑えながら運用
導入背景と課題
先進技術の取り組みとしてAIチャットボットを開発
「現在は、当社の新たなサービス立ち上げ・事業化を推進するグループに所属しています。本年よりビジネスソリューション(アプリ分野)を主に担当しています。」(新田氏)
— WebARENA IndigoGPU™を採用したプロジェクトについて詳しくお聞かせください。
「元々はAIチャットボットというキーワードから発祥したプロジェクトです。簡単に言うとGoogle検索のお手製版のようなものですね。質問応答タスクのオープンソースがあるのですがそれが日本語に対応しておらず、それなら自分たちで作ってみようかとデモを開発したのがスタートでした。」(新田氏)
AIチャットボットの開発プロジェクトにおいて、同社が求めたものが自然言語処理の機械学習を行うGPUサーバーであった。GPUサーバーの導入に向けては様々な課題があったと新田氏は語る。
「当初はGPUマシンを自社のサーバールームに置くことを考えていましたが、自社調達となるとコストの関係もあり性能が下がってしまいます。また、設置場所の関係で電力供給にも不安な部分があり、そこで選択肢に挙がったのがクラウドサーバーでした。ただし、クラウドサービスでは一般的にストレージ容量に際限がなくコスト管理が難しい点や、セキュリティに必要な通信コストがネックになってしまいましたね。それでも継続して調査していったところ、当社の要件に最も適したサービスが『WebARENA IndigoGPU™』でした。」(新田氏)
採用の決め手
デモ開発から本格運用まで柔軟に使える
— NTTPCの「WebARENA IndigoGPU™」を選定された決め手はどういうところにあったのでしょうか。
「AIチャットボットの開発は、当時まだデモ段階でした。グループ会社間で行われる技術情報共有会がマイルストーンでしたので、プロジェクト予算の関係もありGPUサーバーをフル稼働させる前提ではなかったのですね。フル稼働でないなら時間契約できるサービスが良いと考えておりましたので、そこに柔軟に対応してくれるのが『WebARENA IndigoGPU™』でした。一定期間内に利用すればストレージの保持もしっかりしてくれるので、本格運用でないスタイルにもフィットしてくれるのが魅力です。デモフェーズを終えて、このままシームレスに本格運用に移って行けますしね。」(新田氏)
導入効果と今後の展開
サポート窓口を活用しスムーズに導入
— 契約形態の柔軟さを踏まえご導入されたとのことですが、実際に運用を開始されてみて、どのような印象をお持ちになりましたか。
「1ヵ月間の製品デモを利用してみたところ、期待通りのパフォーマンスでしたので本番環境への切り替えを行いました。GPUというハードウェアだけでなく、ライブラリ構築手順のドキュメントも提供いただき、入れ替えが必要な際もスムーズに対応できました。また、問合せに対しサポート窓口に即座に対応してもらえたのも印象的でした。」(新田氏)
用途に応じた設定変更も簡単
— 一方で、使いづらさを感じるような場面はありましたか。
「払い出されたインスタンスのSSHの暗号化強度が、デフォルトでは非常に堅牢な設定になっていました。暗号化強度が高いと当然アップロード時の通信速度が本来よりも落ちますので、AIの機械学習のために大量データのアップロードを行う際はその設定変更をしなければならないという点がありました。とはいえ、常時大量データをアップロードするわけではありませんので、そのタイミングだけ設定を変える形で問題なく運用できています。運用しているとやはり自社の必要性に応じて様々な設定変更が必要となるのですが、詳細なマニュアルが用意されていますので、今後も開発フェーズに応じて柔軟に使っていきたいと思います。」(新田氏)
WebARENA IndigoGPU™を用いた、自然言語処理の機械学習の貴重な活用実績をお話しくださった。とりわけ印象的であったのは、サーバーの活用方法の柔軟さとサポートの手厚さに評価を頂戴した点だ。同基盤を用いた新技術・新サービスの創出に、期待が膨らむばかりだ。
2023年2月取材
- 株式会社ライトウェル
- URL:https://www.lightwell.co.jp/
- 代表取締役社長:吉川 裕
- 設立:1973年6月
- 資本金:4.8億円
- 本社:東京都千代田区神田和泉町1-9-2 住友不動産神田和泉町ビル4F
- 事業内容:システムインテグレーター、データ分析・管理、ソフトウェア開発
- ▶導入サービス:
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